「お金」よりも大事?「時間」についてのお話。

先日、ある講座を受けに久しぶりに東京南青山へ出かけました。その中で講師が面白い話をしてくれました。

行きつけの安くて旨い中華料理店でのこと。

アルバイトの女の子がお客さんに「おひや」を持って行ったそうです。すごく当たり前の風景ですよね。ところが、店主は猛烈に激怒??

曰く「うちは、安くて旨い料理を出して、お客さんにたくさん食べてもらいたいんだ、だから、水を出したりする手間はかけられない、それはお客にやってもらえ(怒)」

これは、お客さんの前で言うことではないですね(苦笑)でも

その店主の思いはうなづける気がします。最初から張り紙して「お冷はセルフでお願いします」とか仕組みづくりをしておけばこんなに怒らなくても良かったでしょうが・・・。

この話を聞いて思ったのは、会社の方針や戦略での「重要軸」が共有できていないために起こる時間のロス・・。これは多くの会社さんにとっても課題なのではないでしょうか。かくいう、私も時間管理を学ぶ前は、目標を掲げ、年始に誓いを立てたことが、1年経ってみて全く手つかずに終わったり、ほんのわずかしか進んでなかったり・・。

どうして、あんなに自分で誓ったことが達成できていないのか・・(怒)やる気は十分、能力も一定程度あるはず・・でも、時間が足りない・・??

 

 

解決の糸口となったのが、「時間管理のマトリックス」です。ご存じの方も多いと思いますが、説明させてください。

 

重要かつ緊急である「第1領域」

重要だが緊急ではない「第2領域」

重要ではないが緊急である「第3領域」

重要でも緊急でもない「第4領域」

 

「どの領域にどれくらいの時間を使っているか?」という調査の結果、好業績企業と普通の企業では、明らかに使う「領域」が違っているという結果が出たのです。

一般の企業が一番多くの時間を割いていたのは、「第3領域」(5060%)です。

自社にとっては重要ではないが、関連先からの依頼や飛び込みの用事、重要ではない会議などに振り回されているというイメージです。私自身も、第3領域で「仕事をしている錯覚」にどっぷりとつかっていました。

一方、過去に「デミング賞」を受賞した有名な企業(トヨタ、NEC、新日鉄等等)はどうでしょうか・・。

答えは、重要だが緊急ではないという「第2領域」に65%~80%も時間を使っているという結果だったのです。

重要だが緊急ではない「能力を高める、準備や計画、予防、、」こういった中、長期的な事柄に時間を多く使っているというのです。

しかし、ここで疑問が沸きます。どうすれば、それが実現できるのか・・??

答えは「第3領域を減らすこと」とわかっていても、社員一人一人が第2領域に取り組むには何が必要なのでしょうか?

 

「このような違いが出る理由は、ほとんどの場合、「何が重要なのか」をどこまで明確にしているかにある。」と7つの習慣の著者コヴィー博士はおっしゃっています。

 

自社にとっての重要な仕事とは何か?

 

それは言い換えれば、「中・長期的なビジョン」や、「ミッション、パーパス」、それらをチームメンバーが共有できて初めて第1領域と第3領域の違いがわかるわけです。そのためにも、ミッション、ビジョンを組織に浸透させるための仕組みづくりが必要だと思います。