組織の心理学


 

なんで社労士の私がグループダイナミックスに夢中になったのかといいますと・・
社労士のスタートは監督署の労働相談員でした・。当時、「解雇」の相談がダントツで、その他はいじめ嫌がらせ、賃金未払い等でした。
毎日10件以上の相談を受けていると、明らかに法違反で白黒つけられる事案は少なく、まして解決はできない、もやもやとした思いを抱えていました。
何年経っても仕事がさばけない事務員さんを解雇したい・・ 何度指導しても成長が感じられない部下・・ 嘱託職員さんが上司のいうことを聞かず、とうとう上司がメンタル不調により退職することになった、
挙句の果てには、退職あとに会社を訴えると言ってきた・・

相談を受けながら「もっと、マネジメントの在り様を変え、信頼関係を構築出来ていたらこんなことにはならなかったのに・・」と 事後の解決の難しさやもどかしさを抱いていました。
そんな時にグループダイナミックスという学問領域を長年研究されている吉田道雄先生と出会いました。
吉田先生は、ご自身が学生の時から故三隅二不二先生の元で様々な活動に従事してこられ、熊本大学を退官された今も全国でコンサルや講演などされています。ご本人は、「花のフリーター」と笑っておられますが!
吉田先生のご専門は「リーダシップ」と「リスクマネジメント」、これは快適な職場創りに無くてはならないものです。
そこで、私は仲間に声をかけて、2014年7月16日から毎月一回、吉田先生の研究室にお邪魔して勉強会を開催する運びとなりました。
そこで、さまざまな心理学、「リーダーシップトレーニング」、事故防止のためのリスクマネジメントなどなど
コロナで終了するまでの約5年間半、楽しく学び実践して参りました。

このような学びと実践という経験から、労務相談においても、労働法だけでなくもっと根本的な原理原則でアドバイスが出来るようになったと自負しています。
例えば、先ほどの会社を訴えようとしていた嘱託職員さんの事例の続きですが、私はとにかくその方の話を聴いてみることになりました。
そもそも弁護士ではないので紛争になっている方との交渉は出来ません。
なので、私に出来ることはひたすら傾聴することだけ、と肝に銘じ2時間の間徹底的に聴きました。
なんの交渉もアドバイスも一切せずに話を聴いた結果、本人は打って変わったように柔和な表情となり、最終的には訴えは取り下げ
「本藤先生にわかってもらえたから、ここで区切りをつけて新しい仕事を探します」
と前向きな態度に180°転換、変容されました。
「信頼ほど人をやる気にさせるものはない」という言葉を実感した出来事でした。

人材育成・人材開発は、企業発展において重要ですが、人が成長するには一定の時間がかかります。
また、外部(会社や上司)からどれだけ働きかけても、本人の中に変化や成長へのスイッチが入らなければ遅々として進まないように思います。
その点、組織開発とは、チームやグループ全体で変容を目指しますから、人同士が刺激しあい、ゴールを共有できれば、お互いの相乗効果、シナジーが生まれることがあります。
会社も社員も顧客もwin-win-win、快適で生産性の高い職場を創ること、コツコツやれば結果が出ると確信しています。



 

 

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