組織変革のコンサルティングを始めて、もう5年近くになります。その中で強く実感しているのは、「自律型組織をつくるには、これしかない」というシンプルな結論です。図にしてしまうと一見なんてことない流れに見えますが、実際に現場で進めると簡単ではありませんが、自律型組織への確かな効果を感じます。
出発点は「創業の精神」に立ち返ること
まずは社長自身が、創業の精神を思い起こすことから始まります。なぜこの会社が生まれたのか、何のために存在するのか。その問いに立ち返ることで、組織の土台が定まります。
そこから幹部社員と一緒に、ビジョンやクレドを言語化。さらにそれを浸透させるため、OKR や 週報、定例ミーティングでの報告とフィードバックといった仕組みを繰り返します。このサイクルを積み重ねることで、幹部自身が振り返りを習慣化し、自己管理やタイムマネジメントの力を身につけることができます。
ステップ3に入った会社の事例
現在、コンサル3年目に入り、ステップ3に進んでいる会社があります。この1年間の幹部社員の成長には目を見張るものがあります。以前は日々の業務に追われがちだった幹部が、今では部下やスタッフにリーダーシップを発揮し、チームを引っ張る存在へと変化しています。
自分たちが実践してきた「振り返りの仕組み」を、次は周囲に広げていく――まさに組織が進化するフェーズに入りました。
精神論だけでなく、テクニカルだけでもなく
ここで強調したいのは、精神論だけでもなく、テクニカルだけでもないということです。
大切なのは、描いたビジョンをコツコツと実践し続ける「仕組み」。そしてその仕組みによって「習慣」が根づいていくこと。
その積み重ねこそが、ミッションに基づいたビジョンに向かって、1年、1か月、1週間、そして1日をブレずに過ごす力となります。
私がこの数年間で強く確信したのは、強烈な一発逆転ではなく、仕組みと習慣の積み重ねこそが「自律型組織」への道だということです。
組織は仕組みで変わる。人は習慣で変わる。